原因の見つけ方。

家庭教師を依頼してくる生徒の多くは、志望校に対する成績が低いです。
そして成績が低い原因が必ずどこかにあります。
家庭教師の仕事はまずその原因を見つける事にあると思っています。
 
原因の見つけ方はいたってシンプルで、まずは問診から始めます。
「今までやってきた参考書は?」「どんな風にやってた?」「解けない問題ある?」
そして解けない問題を解説して表情や反応を見ます。
表情と反応から、今の解説で理解出来る力があるのかを判断します。
他にも部活やっていたのか?とか趣味は何か?とかプライベートに近い事も聞きます。
部活をやっていた人はウサギさんタイプが多く、やっていない人はカメさんタイプが多いです。
また趣味から、自分独自の勉強法を確立しているかどうかなどが分かります。
 
一回目の授業は数学を教える事よりも、こちらが聞く事が多いです。
そして家に帰ってからじっくりと仮説を立てます
この生徒は三角関数でつまずいたタイプだ!
授業をあまりしっかり聞いていないタイプだ!
復習をやらずに一夜漬けでなんとかしてきたタイプだ!
生徒の答えてくれた内容から仮説を立てて、それを確かめる質問を用意します。
三角関数の公式って実は覚えるの1つで良いんだよ」
「学校の授業で絶対にこれはやってると思うんだけどどう?」
「やっぱ一夜漬けがおおい?」
 
仮説が当たっていて思ってような反応があれば良いのですが、大抵は外れています。
その時にすかさず次の仮説を立てる為の情報を集めます。
例えば親の事とか、より正確な学力とか、模試の解答とかです。
親がステレオタイプな教育をしているかいないかで子供の性格は大きく変わってきます。
問題を解かせる事によって解ける問題と解けない問題を分類して、そこからどこでつまずいたかだんだん分かってきます。
模試の解答を読む事によって客観的に学力が分析出来ます。
 
そして2回目の授業が終わって家に帰ってから、しっかりと分析をしてまた仮説を立てます。
しかしながらこの仮説も外れている事が多いです。
 
だいたい3回授業をやれば生徒の性格や学力や出来ない原因がはっきりします。
そして4回目の授業から原因についての対処する方法を伝えて本格的な授業を始めます。
 
重要なのは仮説→検証→仮説→検証の繰り返しです。
これは教育の世界だけでなく、どの世界でも重要なものだと思います。
そして時間をかけてでもしっかりと原因を究明してちゃんと対処をする事が大切です。
よく夏だけの4回特訓、家庭教師のなんとかってCMを見ますが、
ああいうのは原因を全く追求せずに授業を行うから効果は絶対に出ません。
医者に例えると診察もせずに薬だけ処方するようなものです。
 
よく「うちの子供は○○が苦手だから直してほしい」と言われる事があります。
でもそれは果たして本当にそうですか?と聞きたくなります。
微分積分の分野の点数が悪いからと言って、微積を勉強するのは短絡的だと思います。
三次関数がよく分かってなかったり、接すると言う事がよく分かってない場合は微積の勉強をするよりも
数1や数2の復習をする方が却って早く点数が上がります。
患者が「熱がある。風邪だと思う。薬を処方してくれ」と言ってるのと同じレベルです。
 
余談ですが医者の世界も同じように仮説→検証→仮説→検証の繰り返しだそうです。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1102/21/news009.html