有名私立中学合格率80%の塾の作り方

昨日に引き続き作り方シリーズです。
教育の本質から離れている教育産業に対する皮肉にでもなれば良いなぁと思って書いています。
ちなみに今回も特にどこか特定の塾を指しているものではなく、あくまで私の妄想です。
思い当たる節があってもそれは違います。なぜなら私の妄想ですから。
 
都会では有名私立中学に入るべく小学生の頃から勉強します。
そしてこの2月は私立入試がもっとも盛んに行われる時期で、ニュースになったりします。
塾業界も必死です。なぜなら合格者数がそのまま塾の評判や経営に直結するからです。
そんな業界でどうすれば合格率80%の塾を作れるのでしょうか?
以下のような塾を提案します。
 
1学年、定員20人
3年生4年生5年生6年生を教える。
入塾金10万円 月謝1万円
「考える力を育てる」という標語
 
1、最初の数年は、「合格保障」とか「必ず成績を上げます」でとにかく生徒を集めます。
まともな授業を行いなんとか1人有名私立に合格者を出します。
有名私立に合格者を出すまでは定員が埋まらないかもしれませんが、我慢の時です。
生徒の中には他の塾と掛け持ちしている場合もあるので、そちらのノウハウも最大限に利用します。
 
2、合格者が出たら
宣伝しまくります。このころには生徒は定員を越えて集まるかもしれませんが、必ず断ってください。
その時に「定員に空きが出たらお知らせします」の一言を忘れずに。連絡先も聞いてください。親御さんには月謝1万円は魅力に映るでしょう。
 
3、定員が埋まるようになったら。
3年生や4年生に勉強を教えても無駄です。ですのでパズルでもやらせましょう。
「パズルを解く事が発想力につながるのです」と言えば親も納得してくれます。パズルの解き方は教えてはいけません。
頭のいい生徒は自分で解けるのでおもしろがります。
頭の悪い生徒は解けないので面白く無いです。いずれ塾を辞めるでしょう。
定員に空きが出たら予約待ちの家庭にすぐに連絡を入れてください。入塾金がすぐに振り込まれる事でしょう。
3年生、4年生の間は頭のいい生徒と頭の悪い生徒を分別する作業と割り切ってください。
5年生になる頃には頭のいい生徒しか残っていません。
 
4、5年生になったら
本格的に受験勉強を始めましょう。
コツは要りません。入試問題を分析して解き方を教えれば良いだけです。
頭のいい生徒しか残っていません。特別な指導は要らないのです。
当然レベル設定はハイレベルです。この授業について来れない生徒はやはり自然と辞めていきます。
入塾金ゲット♪ と割り切りましょう。
 
5、宣伝する。
きっとここまでくれば合格率はかなり高くなるでしょう。
合格率を高くする為には優秀な先生による優秀な授業より、優秀な生徒を集める(残す)方が遥かに効果的です。
そして高い合格率を一度でも出せたら、それを強調して宣伝しましょう。
「うちの塾は合格率8割です」
そうすれば数字しかみない親は我が子をどんどんと入塾させるでしょう。
8割という合格率が、次から次へと優秀な生徒を呼びます。
20人という定員が10万円という高価な入塾金を払わせます。
入塾金で儲けて辞めてもらう塾こそが、この受験戦争を生き残れる塾です。
 
 
今後私立中学の増加に伴ってこういった塾は増加してくると思います。
私立中学が増える社会的背景に実は10年程前に出された男女共同参画社会基本法があります。
10年前に就職活動をしていた女性は、自身の子供に学力を付ける為にお金を惜しまない傾向が今後出てきます。
その際に、高い合格率を誇る塾や、東大に合格者を出した文武両道高校などに子供を通わせる親が増えます。
通わせようと思ってる塾や学校の、「本当の経営方針」を見抜く力がこれからの親には求められています。
世のお母さん、見抜く力をつけませんか?分析する力を身につけませんか?