教科書と参考書

教科書って意外とすばらしい。
 
数学を勉強するとき教科書を使ってますか?
学校の授業でも、開きっぱなしにはするけど読んだ事は無いし、
自宅で勉強する時は参考書を使うし、
塾で勉強する時は、塾のテキストを使う。
こういう人が多いと思います。
 
教科書軽視の風潮が教育産業にはびこっていると思います。
数学の教科書と数学の参考書(チャート式)の違いはなんでしょうか?

1つは公式の扱い方です。
教科書は公式を導く事から始めます。
例えば、加法定理から2倍角の公式を導いて
2倍角の公式から半角の公式を導く と言った感じで。
参考書は公式の使い方を解説します。
この問題は加法定理を使って解く。
この問題は2倍角の公式を使って解く。
 
もう一つは問題のレベルです。
教科書は公式を使う練習を基礎的な問題を例にやります。
参考書は入試問題から公式を使う練習をします。
 
重要なのは、教科書だけで勉強しても参考書だけで勉強してもダメという事です。
数学の勉強に必要な事を1から10で表すと
1、2、3という基礎的な部分を教科書が担当します
4、5、6、7、8、9、10を参考書が担当します。
参考書だけを使えば1、2、3という基礎的な部分がおろそかになります。
もし参考書をつかって勉強してるけど、成績が伸び悩んでいるという人がいたら
もう一度教科書に書かれている内容を見直してみてはいかがでしょうか?
 
参考書だけを使ってるけど成績はちゃんと伸びている人も居ると思います。
そんな人は公式をすべて丸暗記していませんか?
実は数学の公式の大半は覚えてなくても大丈夫なのです。
公式を導き出せる力があれば緊張してど忘れした時でも安心ですし、
公式をつかえないような問題が出題された時でも対応出来ます。
 
数年前、東大の入試問題で、加法定理を証明せよとの問題が出題された事があります。
これは教科書に書かれている程度の知識で解ける問題ですが
解けない受験生が多かったそうです。
この入試問題から読み取れる事は、
東大は公式の丸暗記をしている受験生は要らない、基礎を大切にしている学生こそ東大生だ
と言いたかったのだと思います。