算額


 
写真は算額と呼ばれる板です。
地元のお寺に寄贈されているものです。
 

 
拡大して写した写真がこちらです。
上に図が書かれていますが、これは中学高校と皆さんを苦しめた数学です。
江戸時代にも数学が民衆の間で生きていた証拠です。
 
江戸時代は、学校では江戸幕府と藩による支配があったと習い、
何度も飢饉がおこって民衆は苦しんだイメージがあるかもしれません。
 
僕はそれは嘘だと思っています。
 
算額は江戸時代に農民や一般庶民が、自身の数学の力の向上を願いオリジナルの問題を作り
寺や神社に奉納しました。現代で言うならば、数独を自分で作って絵馬に書いたようなものです。
そしてこの額を見た人が問題を解いて解答を奉納する事もあったようです。
 
簡単に書きましたが、実はこの時代にあって庶民が
字を読み書き出来る事、
数学をたしなんでいる事、
問題を作れる事
 
これらはすごい事です。
 
学問の発達は豊かな社会で生活に余裕がある時か戦時中でないとあり得ません。
もし食うのに困るような時代であれば、学問を志す余裕など無く、大人も子供も一生懸命農作業をします。
この時代の農民の子も字を読めるように、子供の頃から寺子屋に通って居た証拠が算額です。
よくよく算額を見てみると問題がとてもハイレベルなものというのが分かります。
簡単に作る事は出来ません。きっと試行錯誤して作られたものなんでしょう。
日が昇っているうちは農作業をして、日が暮れたら寝る生活ではこのような問題は作れません。
きっと日中に暇ができる程に農業が発達していたか、夜、火を灯す余裕がある生活をしていたのでしょう。
 
自分で作った問題を自由に発表出来る雰囲気もあったのも事実でしょう。
言論の自由もある程度認められていたのだと思います。
 
一枚の算額ですがいろんな事が読み取れます。