センター試験についての提言

センター試験に変化の兆し、慶大が来年撤退へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110115-00000819-yom-soci
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22回目となったセンター試験
 
 利用校は増え続け、今年も過去最高を更新し800校余りが参加したが、来年から主要大学では初めて慶応大が“撤退”するなど変化の兆しも出ている。
 
 「正直に言ってショック」。大学入試センターの担当者が話す。慶大は、第1回から参加していた私大16校の一つ。
だが、2006年度入試の医学部(英語)に続き、来年度入試から法学部と薬学部でも利用を取りやめて全学部から「センター利用受験」が消える。
慶大の担当者は、「優秀な学生の獲得を目指し、独自の特色ある入試を導入する」と説明する。
センター試験のレベルでは、難関大を目指す層では差がつきにくい」(塾関係者)との指摘も出ており、
こうした点に不満を持つ有力大学に撤退の動きが波及する可能性もある。
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センター試験は平均点が各教科おおよそ6割になるように作られています。
数学においては作問者は10人で構成されていて任期は2年、参議院のように1年で半分が交代するそうです。
そして作問者に任命されてから始めの3ヶ月はひたすらセンターの過去問を解かされて、
平均点が6割になる問題とはどのような問題かを体で覚えさせられるそうです。
毎年50万人程が受けるセンター試験において、平均点が6割になるように作るとどうしても難関大受験者には簡単な問題になってしまいます。
数学においては、思考や発想より、計算力や典型的な公式の活用が重視されがちで、本来の力を発揮出来ない人も居ます。
 
 
受験生の解答を書く力というものが大変弱っている気がします。
というのもセンター試験はマーク方式なので解答を書く作業が要らないからです。
私大ではセンター利用入試と銘打って、センター試験の結果のみで学力を判断する大学も増えています。
これはセンター試験の問題が優れているから導入されている制度では無く、
国立大の受験者に私大も受験してもらう為の商業的な理由からです。
そして受験生は解答を書く機会が乏しいまま大学に入学します。センター試験が大切ですからね。
 
受験生は解答を書くという作業が苦手です。できるなら解答を書く練習をしたくありません。
そうなると必然的にセンター試験を重視している大学に向かいます。
解答を書くことが苦手な生徒は、自分の考えを書くことが苦手な学生になります。
与えられた選択肢から答えを選ぶのは強いけど、自分で解答を作るのは苦手な学生が育ちます。
 
慶応大学はある意味時代の最先端をいったと思います。
できるならセンター試験からの撤退と同時に、解答を書かせる問題を増やして欲しい所です。
試験には求める学生像が色濃く反映されます。
慶応大学には、解答をしっかりと書ける=自分の考えをしっかりと文章にできる 学生を求めて欲しいものです。
 
さて本題。
まずは大学側への提言です。
センター試験の比重を下げて、2次試験で特色を出してもらいたい。
センター試験のみで合格者を決める大学は
「とにかく当てずっぽでもいいから短い時間で答えを選ぶ力がある人」を求めてるんですか?
各大学、アドミッションポリシー(大学がどんな学生に来てもらいたいかの宣言)を掲げてますが、
それは言葉ではなく2次試験の問題でアピールしてもらいたい。
物理や数学の問題だけでなく、面接や小論文や口頭試問など大学の数だけ答えはあると思います。
 
センター試験への提言です。
平均6割のこだわりを捨てませんか?
各教科間でばらつきがあると困るのが言い訳の様ですが、受験生にとっては数学だけ平均点が異様に低くても公平です。
どの科目も平均6割を目指すから却って3教科入試みたいなのがはびこる訳です。
平均点を保障しないように(今年の国語は平均100点、去年の国語は平均150点)作れば、
少ない教科でセンター試験を戦うのは不利になります。たくさんの教科を勉強し受験することで有利になるように作れば
受験生はたくさん勉強します。良質な問題=平均点6割という発想は古いです。
マーク試験なので書かせることは難しいです。逆に書かせる問題は各大学2次試験に任せる。
足切り程度に利用してもらう問題を作ればいかがでしょうか?
教科書レベルの問題、日本の高校を出たんだからこれぐらいは解けてくれないと困るような問題を目指してみてはどうでしょうか?
センター試験は参考書は要らない。教科書が最強のセンター試験対策だと言われるような問題を目指してもらいたい。
2次試験で基礎的な問題を出題する必要は無い。なぜならセンターで基礎力は見てあるからと言われるような問題を目指してもらいたい。
そうすれば必然と2次試験重視の大学が増えて、2次試験で各大学特色を出しやすくなります。
特色を出しやすいようにサポートをするのが独立行政法人大学入試センターでは無いのですか?

まとめると
大学→問題にアドミッションポリシーを反映させろ
センター→平均6割を捨て、基礎問題を充実、2次試験のサポートに徹する。
受験生→考えを”書く”練習をする。